昨年の4月29日、吹田教会での助祭叙階から1年、今年の5月5日、初台教会で司祭叙階の恵みをいただくことができました。お祈りをはじめ、様々なかたちで皆様から支えていただいたことに深く感謝いたします。
東日本大震災という、私たち日本人にとっては、決して忘れることのできない年の叙階となりました。大地震、そ
して津波と原発事故が複合した今回の災害で、犠牲になった方々、被災された方々、そして救援活動にあたっている方々のために祈り続け、復旧・復興のために
連帯していきたいと思います。
この震災は、自然界の出来事を主導するのは人間ではないことを、改めて私たちに気づかせてくれたように思いま
す。そして、私たちの今までの生き方が根本から問われているようにも感じます。本当に重要なものは何か。何を大切にしなければならないのか。叙階を受けた
者として、困難な状況において、困難の状況だからこそ、福音をのべ伝えること、希望、喜びを語ることの必要性、大切さ、重要さを、かみしめ、心の底から納
得したいと思います。
レデンプトール会士の特徴は何でしょうか。特徴というよりも、使命というべきかもしれません。それは、人々と
ともにいること、歩みをともにすることだと思います。人々の近くにいられることは、私たちに与えられた恵みです。このような思いを、教皇パウロ6世は代弁
してくださいました。レデンプトール会士が6年ごとに開かれる修道会の総会のために世界からローマに集まったときの謁見(1973年)で、「私たちは、あ
なた方が教会で行っている仕事、とりわけ霊魂に対するケアに対して感謝しています。それは、聖アルフォンソのときからずっと、あなた方の主要な召命です。
人々の近くに、人々の中に、出来る限り人々の近くにいてください」と語り、集まった会員たちを励ましてくださいました。
自分の思いではなく、キリストが本当に自分の生活の中心となるよう生涯をかけて努力し、人々の中で、人々とと
もに生きながら、頂いた恵みに忠実に応えていきたいと思います。このような思いで、新司祭としての生活を吹田教会で始めさせていただきます。どうぞよろし
くお願いいたします。