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今月の神父様のことば

† 2011年01月 †

「タク、タク、タク」

現吹田教会主任司祭 谷口秀夫

 新年、明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い致します。

 さて、ある禅の本を読んでいたら「叢林(そうりん)」という言葉と「切磋琢磨(せっさたくま)」という言葉 に出会いました。叢林は、互いに切磋琢磨する場であるらしい。叢林とは、お坊さんたちの修行のためのコミュニティ(共同体)のことです。私たちの用語で は、修道院や信仰共同体である教会と置き換えることもできるでしょう。漢字に興味があるので、漢和辞典で二つの語を調べてみますと、叢とは「草むら」「低 木のしげみ」「草が乱れ生えているところ」とありました。林とは、「木が並びはえているところ」「物事や仲間が多く集まっているところ」とあります。要す るに、「叢」と「林」は、草と木の違いはあれ、「集まっているところ」という点では同じです。そして、人や物事が集まっているところには、おのずと互いの 間に摩擦が生じます。その摩擦を利用してお互いを磨き上げ、美しい玉(ぎょく)に成っていくところがコミュニティだというわけです。切磋琢磨の「切」と は、獣骨や象牙を切り、「磋」とは、それらを磨き、細工して美しく仕上げること。「琢」とは石を「タク、タク、タク」と刻む音から来ているらしい。そし て、最後の「磨」とは、ひきうすで「擦(こ)す」ったり「磨(す)り減(へ)ら」したりして、身・学・徳ともに磨き上げ、鍛え上げていく・・・そのことが 切磋琢磨というわけです。私たちが主イエスに向かって自己を磨き上げていくためには、叢林(共同体)はなくてはならぬ場であるのです。人と自分との思惑や 感情がぶつかり、エゴの角を凹ませ、「私が、私が・・・」という自己中心的な考えを「タク、タク、タク」と刻み、磨り減らして、自己をキリスト(玉)に近 づけていく修行の場がコミュニティなのでしょう。このコミュニティ(教会)がなければ、「キリストに向かって成長」(エフェ4:15)するのは画餅に帰し てしまうのです。「互いに愛し合いなさい」「兄弟を愛さない者は神を知りません」(1ヨハ4:8)とは、どうもコミュニティを意識して発せられたみことば のように思えるのです。今年も及ばずながら、私が置かれたコミュニティの中で「タク、タク、タク」と地道に精進してゆきたいと思います。ご迷惑もおかけすると思いますが、よろしくお願いいたします。

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