奥さんが亡くなった90歳のおじいさんが、目が見えないので一人で生活できなくなりました。
そこで、老人ホームに入ることを決めました。
老人ホームに行った初めての日ホームの玄関で長い間待っていました。
やっと誰かが現れました。
「おじいさん、お部屋の準備ができましたので案内します。」と、言いました。
歩きながら案内の人は部屋について説明してくれました。
部屋の色・窓・カーテン・たんす・ベッド等々の様子を教えてくれました。
おじいさんはこれを聞いてプレゼントをもらった子どものように手をたたいて、「すばらしい、すばらしい。この部屋大好きだ。」と、喜びました。
案内した人はビックリしました。
「待ってください。まだ、その部屋に入っていません。廊下の途中です。」
おじいさんは、「入っているか、入っていないか関係ない。」と、言いました。
「この部屋好きだ。幸せは、自分で決める。見えないから部屋の道具がきれいかどうか、問題はそこではない。僕の頭で好きだと決めた。これは大切な事だ。」
私は、毎日こういうふうに考えています。
たとえば、一日ベッドの中で体ボロボロ、目見えない等といろいろな年寄りの問題について文句を言うことはできます。
しかし、私は逆に積極的に考えています。毎朝起きて話すことができる、聞く事ができるから神に感謝します。毎日素晴らしい日でございます。
いろいろな楽しい出来事を思い出しています。
老いは銀行みたい。貯めているものによって生きています。空っぽだったら困る。
いいものいっぱい貯めていたら幸せ。きれいなお部屋に案内してくれたこと、どうもありがとうございます。